(前回の続き) もう一つ、参考になったこと、それは、
「重圧に耐えるのではなく、自ら向き合う」
という考え方です。イチロー選手は年間200本安打を打ち、首位打者になるのが当たり前、イチローであることの苦悩を抱え続けてきたそうです。
「『イチロー』は自分ではない。 ユニホームを着た『イチロー』というものと、照らしあわされることがおそらく怖かったと思うんですよね。若いときの自分は重圧に対応できる自分ではなかった。周囲に対してとんがりまくった。それで自分を守ってゆくしか方法がなかった。自分を守ることで必死だった。」
メディアを通してみるイチロー選手に対して、今までは僕も同じ印象を持っていました。
「結果を求められる責任感とか重圧が圧し掛かり、来年も頑張ってといわれるたびに背筋が冷たくなる。自宅に引きこもったり、人が通ると情景反射的に下を向いてしまう。重圧がかかったときには、脈が変わり、気持ち悪くなる。試合中にも、まず血の気がひき、脈が速くなり、しまいには吐き気を催す。」
2006年までのイチロー選手は、そんなことの連続だったそうです。一時期は、プレッシャーを技術で乗り越えよう、とも考えたそうですが、昨年2007年からは、
「重圧から逃げず、自らプレッシャーをかけてゆく」
という考え方に2007年から変えたそうです。そして首位打者を狙うと公言して、残念ながら2位に甘んじたイチロー選手は守備につきながら、人知れず泣いていました。
「未だに達成感がない。何を先に見ているのか、はまだ分からない。まだ目の前は真っ暗。もがいて苦しんでいると光が見えてくる、と信じている。いつか見えると思っていると一生見えない、と思う。」
と最後に言っていました。心理学者ウィリアム・ジェイムズの言葉、
“Sow an action and you reap a habit; sow a habit and you reap a character; sow a character and you reap a destiny.”
「(訳)心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」
このドキュメンタリー番組、僕の気持ちにも変化をもたらしてくれました。日の丸を背負って頑張るイチロー選手の今後の活躍を見守ってゆきたいな、と思います!