映画「ブラッド・ダイヤモンド」、久々に深く内容について考えたり、入り込むことができました。素晴らしい作品です。
主要人物が話す英語は、僕が今までにあまり耳にしたことのないアクセント(訛り)でしたので、ちょっとそれについて書いてみたいと思います。
主人公をレオナルド・ディカプリオが演じていたため、当然アメリカ人だと思っていたのですが・・・実はジンバブエ生まれ、南アフリカ共和国で軍隊に入隊し、ダイヤモンドの密輸業者(smuggler)になった白人の役でした。
とても興味深いのは、この設定に全て彼の話す英語のアクセント(訛り)の理由が隠されているのです!
映画の中で彼が
“I’m from Rhodesia.”
というのですが、この国はジンバブエ(Zimbabwe)建国前のローデシア共和国のことです。彼が生まれた当時は、ローデシアだったからだと思います。そして映画の中で彼が話していた英語はジンバブエ訛りです。
ジンバブエはかつてイギリスの占領下であったため、英語が公用語なのです。彼のアーチャー(Archer)という苗字もイギリス人男性に多く見られる名前です。そしてこの訛りは南アフリカ共和国の英語にも似ています。
南アフリカ共和国は17世紀にオランダの東インド会社の上陸によりオランダ移民が増え、そしてその後イギリスが占領します。そのため、南アフリカ共和国の英語というのは、オランダ語の影響を受けているのです。
南アフリカ共和国の白人が話すアフリカーンス(Afrikaans)というオランダ語の方言がイギリス英語と混ざっているのです。(南アフリカ共和国出身の女優、シャーリーズ・セロンがこのアフリカーンスを話します)
前置きが長くなりましたが、レオナルド・ディカプリオが話す英語は、イギリス英語とアフリカーンスというオランダ語の方言が混ざったもの、という感じです。彼の役作り、言葉の習得は絶賛されています。
アクセント(訛り)の他、語尾にも大きな特徴がありました。最後に、必ずといっていいほど、
“huh? “ ”all right?” ”right?” という語尾をつけ、イントネーションを上げるのです。“You’re here on holiday, huh?(休暇をとってここにいるんだろ?) “ といった感じです。
あとは、恐らく、アメリカ英語の語尾で、bro (brotherの略)が、このアフリカ訛りでは、”bru(ブルー)”と発音されています。
”Smoking will kill you, bru.” のような言い方です。
大英帝国時代、英語は植民地政策とともにいろんな国、地域へ広まっていったため、英語のアクセント(訛り)には、英国占領の歴史が刻まれているのです。
移民の集まるニューヨークのように、第2外国語として話す英語のアクセントに加え、ネイティブスピーカーの英語にも様々なアクセントがある訳ですね。
言語を学ぶ際、こうした「背景」を理解することもとても大切だ、と改めて気付かせてくれた映画でした。

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